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医学部入試は暗記がきつい?暗記力は必要なのか
通常、理系と文系を比較した場合、「暗記力」が求められるのは文系と言われています。
では、医学部受験には、暗記力は必要ないのでしょうか。
答えは、もちろん「否」。
医学部受験においては、合格するために非常に高い得点率が求められるので、合格を勝ち取るには暗記力を高め、答えをいかにパーフェクトに近づけるかが大きな鍵となります。
もちろん、文系の他学部と比べれば暗記科目は少ないものの、その分知識の正確さと、解答の確実さが求められる医学部受験は、その過酷さから「暗記ゲー」とも言われるほどです。
医学部受験で暗記力が求められる分野と言えば、英単語や英熟語、生物の用語などが代表的ですが、受験科目のほとんどにおいて、教科書を全て記憶するくらいの覚悟を持って臨まなくてはなりません。
また、医学部は入学してからも覚えなければならない知識が膨大にあるので、受験生のうちから暗記のコツを掴んでおきましょう。
人間の記憶のメカニズム
さて、「暗記力」と一口に言っても、ただ知識を丸暗記するだけでは、厳しい受験勉強を闘い抜くことはできません。
まずは記憶のメカニズムを理解することから始めましょう。
人間の記憶のしくみ
記憶は三つのプロセスによって成り立っています。
そのプロセスとは、「記銘」、「保持」、「想起」です。
簡単に言えば、「記銘」は覚えること、「保持」はその覚えた情報を保存しておくこと、そして「想起」は保存しておいた情報を呼び起こすことです。
また、人間の記憶には、「短期記憶」と「長期記憶」があります。
短期記憶は、文字通り、脳に一時的に保存された状態の記憶のことを指します。
たとえば、定期テストの前に徹夜で詰め込んだ知識がこれにあたります。
テストのときには、詰め込んだ知識を一時的に引き出すことができますが、その知識はテスト終了後しばらくすると、頭の中からすっかり消えてしまう…。
誰もがこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか。
短期記憶できる量には限界があるので、脳の記憶容量が限界値に達すると、人間は先に覚えたものから順番に忘れてしまいます。
これに対して、長期記憶は、比較的長い間忘れることのない記憶のことを指します。
長期間にわたる受験勉強には、こちらが重要です。
つまり、受験に必要な知識が脳に「記銘」されたら、それを長期記憶として「保持」し、必要なときに「想起」できるようにする力が、医学部受験に必要な「暗記力」なのです。
エビングハウスの忘却曲線
ただし、「忘れる」ことは人間にとって致し方ないことでもあります。
なぜなら、人間の脳の容量には限界があるからです。
皆さんは、「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ドイツの実験心理学者エビングハウスが、人間は記憶したことをどのくらいの速さで忘れてしまうのかについて実験し、グラフ化したのが「エビングハウスの忘却曲線」です。
この実験では、人間の記憶は1時間後には、およそ50%が忘れ去られてしまうという結果が出ています。
さらに、24時間が経過すると約70%が、1ヵ月後には、約80%の記憶が忘れ去られてしまうというのです。
しかも、驚いたことに、この忘れていくスピードにはほとんど個人差がありません。
つまり、理論的に言えば、暗記には得意・不得意はないということになります。
暗記が苦手だと嘆く必要はありません。
「忘れる」ということは当然だと認識した上で、上手に暗記に取り組んでいきましょう。
暗記のコツはかける時間よりも「回数」
では、実際に受験勉強において、暗記科目にはどのように取り組めばよいのでしょうか。
答えは「反復」です。
記憶を定着させるには、「かける時間」よりも「取り組む回数」が大切なのです。
最初から完璧に覚えなくても大丈夫
暗記は、「忘れる」ということを前提に取り組まなければならないというのは前述のとおりです。
誰しも、最初から完璧に何かを覚えるということはできません。
エビングハウスの忘却曲線で学んだ通り、学んだ直後から、人は忘れてしまうからです。
わかりやすく言うと、一つのことを覚えるのに1週間で1時間かけるのであれば、6回10分ずつで取り組んだ方がよい、ということです。
かかっている時間は同じで「1時間」ですが、覚えなくてはならないことに触れる回数を多くすればするほど、記憶が定着しやすくなります。
つまり、最初から完璧に頭に入れようとせずに、繰り返し回数を重ねて、少しずつ覚えていくことこそ、暗記のコツなのです。
参考書も「何冊」やったかより、「何回」繰り返したか
書店に行くと、膨大な参考書が並んでいます。
何冊か手に取ってみると、どれもよいもののように思えてきますし、できるだけたくさんの参考書を使って、知識を吸収した方が良いような気がして、ついつい何冊も購入したくなるものです。
しかし、参考書を使った学習においても大切なのは「反復」。
つまり、こちらも、「何冊」取り組んだかより、「何回」繰り返したか、の方が大切です。
まず、1度、1冊の参考書をやりきったとします。
そのまま復習せずに放っておけば、もちろん時間の経過とともに学んだことは忘れ去られてしまいますが、2度、3度と繰り返し取り組むうちに、記憶はどんどん強化されていきます。
また、繰り返し学べば学ぶほど、その参考書の内容についての理解が深まり、その上、知識と知識を関連付けて覚えることもできるようになります。
そうすれば、取り組むスピードも速くなり、結果的に学習効率も上がるというもの。
さらに、繰り返して学ぶうちに、どうしても覚えにくいものや、苦手なものもあぶり出されてきます。
自分の苦手分野がわかれば、それらを優先的に復習することができるようになり、苦手な分野を克服することも可能になるというわけです。
何冊も参考書に取り組んで満足するのではなく、1冊の参考書を徹底的に頭に入れるべく、何回も繰り返して取り組むようにしましょう。
医学部受験生必見!記憶力アップのコツ
「学問に王道なし」とはよく言ったもので、暗記科目を攻略するためには、反復が重要だと述べてきました。
しかし、反復の回数や時間を節約できれば、より勉強の効率を上げることができます。
では、記憶力はどのようにしたらアップさせることができるか考えてみましょう。
数学や理科の公式は丸暗記しない
数学や理科の公式は、とりあえず暗記しておけば安心、そう思ってはいないでしょうか。
もちろん、公式はある程度は暗記しなければなりません。
しかし、出てくる公式を全て暗記しようとするのは、至難の業。
まずは、その公式の「意味」を理解しましょう。
なぜなら、公式の意味を理解し、公式同士のつながりが見えてくれば、全ての公式を丸暗記せずとも済むようになるからです。
また、公式の仕組みを理解することができれば、暗記の量だけでなく、覚え間違いのリスクも軽減することができます。
仕組みを理解するためには何をすればいい?
では、公式の仕組みを理解するためには何をすればよいのでしょうか。
十分に理解している人から説明してもらう
まず、一番有効な手段としては、その分野を十分に理解している人から説明してもらうことです。
勉強は積み重ねですから、一つどこかでつまずいてしまうと、その後の学習もうまく進めることができなくなってしまいます。
その分野に精通している人なら、そのつまずきの部分がすぐにわかります。
つまずいている部分を重点的に説明してもらい、つまずきをなくすことで、効率的に理解を深めることができるのです。
友達や兄弟に説明を聞いてもらう
また、友達や兄弟にその公式の説明を聞いてもらう、というのもおすすめです。
説明する側の理解が十分でないと他人にうまく説明することはできません。
説明しているうちに、曖昧な部分が出てきたり、辻褄が合わない部分が出てきたりした場合は、それが「自分が理解していたつもりで、実は理解できていなかった」という見落としの箇所。
その穴を埋めることで、完全理解に努めましょう。
リラックスも大切
リラックスすると、「シータ波」という脳波が出るのですが、このシータ波が記憶に関連する神経と同調したときに、記憶力がアップするという研究結果が出ています。
リラックスした状態の脳は、新しい情報を受け取りやすく、その情報を定着させる力が強まります。
受験勉強では、長期間にわたって神経も張り詰めがちですが、リラックスして勉強できる環境を意識して整えましょう。
京都医塾の勉強環境なら苦手な暗記科目も克服できる!
理論的には、暗記には得意・不得意はないはずですが、持ってしまった苦手意識をなくそうとしても、なかなか難しいかもしれません。
しかし、「エビングハウスの忘却曲線」で示されているように、実際には人間が何かを忘れていくスピードには個人差がないのです。
逆に言えば、うまく環境を整えさえすれば、苦手な暗記科目を克服することは充分可能ということです。
京都医塾には、その環境が整っています。
生徒一人ひとりに個別ブースを用意
京都医塾では、生徒一人ひとりに個別ブースをご用意しています。
これは、言わば「第2の勉強部屋」とも言えるでしょう。
ここでは、朝8時から退出するまでの時間、落ち着いて自分に必要な勉強ができます。
また、一つひとつのブースが広く、収容力もあるので、教材などをいちいち移動する必要もありません。
個別の空間なので、リラックスして勉強することが可能です。
スケジュールは15分区切りで作成
実は、人間が集中できる時間にはリズムがあることがわかっています。
もともと、人間の体の中には15分、45分、90分というリズムが備わっています。
人間が集中して何かに取り組める時間は15分だと言われていますが、この15分を基本に、それぞれの倍数である45分、そして90分が人間の集中できるリズムだというわけです。
京都医塾では、個人勉強のスケジュールを、この15分という区切りで作成しています。
最も集中力の密度が濃い「15分」という勉強時間を繰り返すことが大切だからです。
記憶を定着させるためには、反復しかないと先にも述べましたが、15分の個人勉強を何度も繰り返すという勉強法は、暗記科目に取り組むためにも、非常に理にかなっているのです。
まとめ
1点を争う過酷な医学部受験において、暗記科目を避けて通ることはできません。
いかに正確に知識を覚えるか、そして、覚えた知識をいかに適切に引き出せるかが大切です。
しかし、人間は忘れていく生き物です。
それを充分に理解した上で、うまく暗記科目に対応していかなければならないのです。
記憶をしっかり定着させるには、何度も繰り返して取り組み、少しずつ記憶を定着させていくことが大切です。
一回目より二回目、二回目より三回目、反復した回数を重ねるごとに、学習のスピードが上がっていくこと、学習した内容が定着していることを実感できることでしょう。
京都医塾には、受験生が合格に向かって集中して勉強できる環境が整えられています。
一人ひとりの目的とレベルに合致した15分刻みの勉強スケジュールを組み、それを繰り返して定着を目指します。
受験生一人ひとりに、合格を勝ち取るための最善の環境を整えています。
医学部合格なら、京都医塾にお任せください。