“マインドマップ”という言葉をご存じでしょうか。
「聞いたことはあるが、イメージがわかない」「知ってはいるが、どういった効果があるかわからない」という方も多いかと思います。
マインドマップは、自己理解を深めて目標に向けたプロセスを構築するマインドセットの役割と、あるテーマの関連事項を整理することで、理解と暗記を深める学習効率化の役割があり、複雑に絡み合った事項を整理・理解する手法として広く用いられています。
今回の記事では、これらの2つの側面から、マインドマップの効果と勉強への活用法について詳しく解説していきます。
目次
マインドマップとは?
マインドマップは、イギリスの著述家、トニー・ブザンが提唱する、「放射思考」を表現する手法を指します。
私たちの「思考」は非常に複雑な構造となっており、脳内の思考で完結することは難しいことがしばしばあります。
例えば、「自分は将来どうなりたいのか」や「なんとなく気分がもやもやとする」といった、思考はしているが言語化ができない内容などを、紙に書き出すという行為を通してアウトプットし、自分自身の思考を整理することを目的としています。
このマインドマップには、「マインドセット・自己理解」、「関連事項の整理と暗記」という2つの効果があります。
先述の通り、言語化しづらい思考部分を紙に書き出して整理することで、自分の目標を言語化したり、自分自身の考えを明確にしたりといった、マインドセットや自己理解の効果を持ちます。
また、思考のように複雑な構造も図式化できることから、関連事項を整理するマッピングを行い、手を動かしながら情報を整理することで暗記にもつなげる、効果的な学習法としても活用されています。
「自分」を可視化する、マインドマップの作り方
ここまで、マインドマップの概要と効果についてご説明してきました。
ここからは、実際にマインドマップの作り方をご紹介し、その活用法の具体をご紹介します。
「自己分析型」マインドマップの作り方
まずは、「自己分析型」のマインドマップの作り方をご紹介します。
①長方形の紙を用意し、長辺を底辺にして置く
マインドマップの作成には、長方形の紙を使用します。
思考がさまざまな方向に伸展しても書ききれるように、長辺を底辺として作成します。
また、それぞれのトピックの特徴や、自分のイメージを表現するために、カラーペンを使用することも推奨されています。
可能であれば、複数のカラーペンを用意しておきましょう。
②中央にテーマを書く
中央には、メインテーマ、すなわち「何について考えるのか」を書きましょう。
例えば、自分の目標(「医学部合格!」)や、考えを整理したい疑問(「なぜ医者になりたいのか」)など、少し大きめのカテゴリとなるような内容がおすすめです。
テーマは文字で書いてもかまいませんし、イラストで表現してもかまいません。
言語化しづらい考え方を、イラストや図で表し、思考の整理につなげられる点も、マインドマップによるマインドセットの特徴です。
③テーマにつながるメイントピックを書き、線でつなげる
中央に据えたテーマについて、連想される事項を放射的に記載します。
例えば、「医学部合格」というテーマについて考えたとき、自分の中で連想される「勉強」「人間関係」「生活」「将来」「失敗」などを、メイントピックとして中央のテーマから枝分かれさせます。
このメイントピックは自由に設定可能です。
ただし、文章ではなく単語レベルでの記載を心がけましょう。
中央のテーマの形成に大きく関わっている、と自分が考えるものを5~7個程度設定しましょう。
④メイントピックに関連するサブトピックを書き、線でつなげる
③で設置したメイントピックについて、さらに関連する事項を書き出し、線でつなげます。
③と比較して、より細かいトピックを書き出しましょう。
書き出したサブトピックから、さらにその先に連想される内容をつなげ、一つのトピックについての思考のつながりを可視化します。
最終的に、メイントピック・サブトピック、さらにその関連事項…と書き出し切ることで、メインテーマに対する自分の思考プロセスを可視化することが可能です。
マインドマップによるマインドセットの効果
マインドマップは、思考によって「結果」を得るのではなく、「そのテーマについて自分は何を考えているのか」というプロセス部分を可視化する働きを持ちます。
そのため、完成したマインドマップを俯瞰することで、目標に対する自分の考えを理解することができます。
目標に対するモチベーションアップややるべきことの整理をしたいと考える方は、ぜひマインドマップを活用してください。
「暗記事項」を関連付けて効率よく覚える、マインドマップ活用法
次に、マインドマップを学習に役立てる方法をご紹介します。
特に、複雑な背景がある単元や、関連情報が多く暗記に苦労する単元での活用におすすめの学習法です。
「暗記補助型」マインドマップの作り方
①A4の紙を用意し、長辺を底辺にして置く
自己分析型同様、長方形の紙の使用がおすすめです。
または、ノートやルーズリーフの長辺を底辺として作成し、保存ができるようにしておくことも有効です。
暗記補助型のマインドマップでも、トピックの特徴や、自分のイメージ・図やイラスト表現するために、カラーペンを使用することが推奨されています。
可能であれば、複数のカラーペンを用意しておきましょう。
②中央にテーマを書く
中央には、メインテーマ、すなわち「何についてのマインドマップなのか」を書きましょう。
例えば、「鎌倉新仏教」や「前置詞」など、学習したいテーマを中心に据えることをおすすめします。
③テーマにつながるメイントピックを書き、線でつなげる
中央に据えたテーマについて、関連する事項を放射的に記載します。
例えば、「鎌倉新仏教」というテーマについて考えたとき、構成要素となる「浄土宗」「浄土真宗」「時宗」「臨済宗」「曹洞宗」「日蓮宗」を、メイントピックとして中央のテーマから枝分かれさせます。
④メイントピックに関連するサブトピックを書き、線でつなげる
③で設置したメイントピックについて、さらに関連する事項を書き出し、線でつなげます。
③と比較して、より細かいトピックを書き出しましょう。
書き出したサブトピックから、さらにその先に連想される内容をつなげ、一つのトピックについての関連事項をマッピングします。
最終的に、メイントピック・サブトピック、さらにその関連事項…と書き出し切ることで、メインテーマに対する関連事項を一枚の紙にまとめ、情報整理ができるうえに、作成過程で得られた知識を効率よく暗記することができます。
マインドマップ勉強法の効果
マインドマップを活用することで、複雑な背景や関連情報の整理を行うことができ、作業をすることで記憶に残りやすい、また、一枚の紙に情報をまとめられるため、文章で読むよりも一覧性が高く、視認しやすいのも特徴です。
ただし、マインドマップの作成に時間をかけすぎてしまうと、かえって非効率な学習法になってしまいますので、ある程度簡略して示したり、イラストに凝りすぎないようにしたりと、スピードも意識したうえで作成をすすめましょう。
情報を整理・俯瞰するためにマインドマップを活用しよう
マインドマップは、事物が絡み合う内容を整理し、完成したマッピングを俯瞰することで全体像の理解を進めることが可能です。
「整理」することによる理解の促進と、生成物を「俯瞰」することによる全体の把握、2つのメリットを上手に活用し、日々の学習に役立てていただければと思います。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
人間の思考は、非常に複雑で、自分自身のことであっても明確に表すことができない場面ばかりです。
今回の記事でご紹介した方法を参考にしていただき、マインドマップを作成し、自己分析や学習事項の理解に活用いただければ嬉しいです。
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