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【2021年度】医学部のある大学別、医師国家試験合格率ランキング

【2021年度】医学部のある大学別、医師国家試験合格率ランキング

医師を目指している人が避けて通れないのが、医師国家試験です。

この試験は毎年高い合格率となっているものの、大学によって合格率にバラつきがあるのも事実です。

医師として現場で活躍することが最終目標なわけですから、入学するのなら合格率が少しでも高い大学を選びたいところです。

そこで今回は、大学ごとの医師国家試験合格率ランキング形式でまとめました。

国立・公立・私立ごとに分けてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

医学部合格がゴールではない!医学部国家試験について知ろう

医師への憧れから医学部の試験に挑み突破したとしても、受験の合格は本当のゴールではありません

なぜなら、医師として第一線に立つには医師国家試験をクリアしなければならないからです。

難関である医学部の受験競争を勝ち抜いてきたのですから、ぜひとも医師国家試験を乗り越えたいところでしょう。

そこでこの項では、医師国家試験の概要や合格率について解説していきましょう。

医師国家試験の概要

医師国家試験とは、国家資格である医師免許を取得するために行われる試験です。

医師法に基づいて受験資格を与えられた人を対象として、毎年二月の中旬頃に二日間にわたって行われます。

試験内容については厚生労働省に公示されたものが出題され、臨床問題、一般問題、必修の三つの形式に分かれて実施されます。

臨床問題においては特定の症例が提示され、その症例に関する設問がなされます。

一つの症例に対し複数の問題が出題されることがあるため注意が必要です。

このように、一つの症例に対する複数の設問が設けられている問題を「臨床長文問題」と呼びます。

また、一般問題では定められたテーマに対する知識量を問う問題が出題されます。

例えば、強皮症腎の患者に認められる基礎的な知識を問う問題などです。

一般問題は疾患の基礎的な知識をしっかり覚えていないと解くことができませんので、大学で学んだことを確実に定着させ知識をしっかりと積み重ねていきましょう。

そして必修においては、研修医になるために必要な知識が問われます。

必修では研修医になった際、現場で活動するために求められる知識や、臨床医として必要なスキルなどに関係する問題が出題されます。

研修医として一線に立ったときに困ることがないよう、こちらの知識についてもしっかり押さえておきましょう。

今年の全体の合格率は91,4%

厚生労働省が発表している第115回医師国家試験の合格状況によると、令和3年2月に実施した医師国家試験の合格者数は91.4%となっています。

他の国家資格と比べても非常に高い合格率で、弁護士試験の合格率22.5%(2017年)や公認会計士の合格率11.2%(2017年)を大きくしのいでいます。

医師国家試験合格率ランキング

先ほども申しあげたとおり、医師国家試験は非常に高い合格率を誇りますが、その合格率は大学によってバラツキがあるため、志望校を選ぶ際はしっかり吟味する必要があるでしょう。

こちらの項では第115回医師国家試験の合格率を、国立・公立・私立大学ごとに分けてランキング形式でまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

▼国立大学医学部の医師国家試験、合格率ランキング
(大学名横の数字は合格率の順位を表します)

学校名 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
①東京医科歯科大学医学部 104 103 102 99.0%
②秋田大学医学部 132 131 128 97.7%
③防衛医科大学校 83 80 78 97.5%
④筑波大学医学専門群 143 142 138 97.2%
⑤信州大学医学部 127 126 122 96.8%
⑥浜松医科大学 120 120 116 96.7%
⑦東北大学医学部 131 131 126 96.2%
⑧岐阜大学医学部 102 100 96 96.0%
⑨名古屋大学医学部 127 123 118 95.9%
⑩琉球大学医学部 133 133 127 95.5%
⑩富山大学医学部 114 112 107 95.5%
⑫北海道大学医学部 121 121 115 95.0%
⑬千葉大学医学部 134 134 127 94.8%
⑭佐賀大学医学部 114 114 108 94.7%
⑮宮崎大学医学部 124 124 117 94.4%
⑯香川大学医学部 106 106 100 94.3%
⑰徳島大学医学部 115 113 106 93.8%
⑱山口大学医学部 126 126 118 93.7%
⑱神戸大学医学部 127 126 118 93.7%
⑳岡山大学医学部 126 123 114 92.7%
㉑熊本大学医学部 137 135 125 92.6%
㉑福井大学医学部 124 122 113 92.6%
㉓鹿児島大学医学部 125 120 111 92.5%
㉔長崎大学医学部 125 125 115 92.0%
㉕金沢大学医学部 125 119 109 91.6%
㉖大分大学医学部 133 130 119 91.5%
㉗三重大学医学部 138 137 125 91.2%
㉘東京大学医学部 124 123 112 91.1%
㉘弘前大学医学部 124 123 112 91.1%
㉚大阪大学医学部 120 117 105 90.7%
㉛高知大学医学部 139 135 122 90.4%
㉜群馬大学医学部 142 142 128 90.1%
㉜滋賀医科大学 132 131 118 90.1%
㉜愛媛大学医学部 121 121 109 90.1%
㉟京都大学医学部 119 117 105 89.7%
㊱旭川医科大学 119 115 103 89.6%
㊲山形大学医学部 142 140 125 89.3%
㊳島根大学医学部 121 120 107 89.2%
㊴新潟大学医学部 140 139 122 87.8%
㊵九州大学医学部 115 113 99 87.6%
㊶広島大学医学部 133 131 113 86.3%
㊷鳥取大学医学部 118 118 99 83.9%
国立計 5367 5302 4906 92.5%

▼公立大学医学部の医師国家試験、合格率ランキング(大学名横の数字は順位を表します)

学校名 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
①名古屋市立大学医学部 105 105 102 97.1%
②横浜市立大学医学部 99 99 94 94.9%
③札幌医科大学 110 109 103 94.5%
④和歌山県立医科大学 100 99 93 93.9%
⑤京都府立医科大学 105 105 98 93.3%
⑥大阪市立大学医学部 107 107 99 92.5%
⑦福島県立医科大学 131 130 119 91.5%
⑧奈良県立医科大学 100 99 93 93.9%
公立計 879 871 813 93.3%

▼私立大学医学部の医師国家試験、合格率ランキング(大学名横の数字は順位を表します)

学校名 出願者数 受験者数 合格者数 合格率
①自治医科大学 117 115 115 100.0%
②産業医科大学 94 88  85 96.6%
③藤田医科大学 116 111 107 96.4%
④順天堂大学医学部 131 130 125 96.2%
⑤北里大学医学部 135 121 116 95.9%
⑥聖マリアンナ医科大学 123 120 115 95.8%
⑦慶応義塾大学医学部 115 115 110 95.7%
⑧東京慈恵会医科大学 125 124 118 95.2%
⑨東京医科大学 127 123 117 95.1%
⑩埼玉医科大学 129 129 122 94.6%
⑪日本医科大学 127 127 120 94.5%
⑫獨協医科大学 135 125 118 94.4%
⑬愛知医科大学 131 122 115 94.3%
⑭昭和大学医学部 130 130 125 93.8%
⑮杏林大学医学部 136 125 117 93.6%
⑮東邦大学医学部 126 125 117 93.6%
⑰兵庫医科大学 107 104 97 93.3%
⑱東京女子医科大学 127 123 117 90.6%
⑲岩手医科大学 168 154 138 89.6%
⑳関西医科大学 125 116 103 88.8%
㉑福岡大学医学部 129 118 104 88.1%
㉒東海大学医学部 128 121 106 87.6%
㉓近畿大学医学部 129 126 110 87.3%
㉔日本大学医学部 144 144 125 86.8%
㉕川崎医科大学 133 113 97 85.8%
㉖大阪医科大学 123 118 101 85.6%
㉗金沢医科大学 139 129 106 82.2%
㉘帝京大学医学部 143 140 112 80.0%
㉙久留米大学医学部 143 135 105 77.8%
私立計 3237 3565 3249 91.1%

国立大学と公立大学では、ほぼ全ての大学が90%以上の合格率を叩き出しています。

その反面、私立大学では合格率にかなりのバラつきが見られる結果となりました。

確実に試験を突破したい場合は、国公立大学の医学部を目指した方がよいでしょう。

大学の偏差値は大きく関係しない

意外に思われるかも知れませんが、実は医師国家試験の合格率に大学の偏差値は大きな影響を与えません

例えば、合格率97.7%を誇る秋田大学医学部の偏差値は62.5で上記ランキング表(国立)では2位となっていますが、国内最高学府、偏差値72.5の東京大学医学部では合格率91.1%と秋田大学医学部を下回っています。

さらにランキングにおいても28位と、秋田大学医学部に大きく水を開けられる結果となっています。

このように偏差値は医師国家試験に大きな影響は与えませんので、偏差値が低い大学に入学したからといって不安になる必要はありません。

ほぼすべての大学で8割以上の合格率

上記ランキング表にあるとおり、医師国家試験では久留米大学医学部を除く全ての大学が合格率8割以上となっています。

難関と言われる医学部の受験を突破した優秀な学生たちが6年間学業に励むわけですから、高い合格率になるのも納得でしょう。

医師国家試験の受験の前提条件

医師国家試験は、学校教育法により「医学の正規の過程を納めて卒業すること」が受験の前提条件として定められています。

では、この「正規の過程」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

慶應義塾大学がホームページ上で公開している「慶応塾大学ガイドブック2021」から引用する形で紹介していきましょう。

まず入学当初は外国語や人文・社会学など基礎的な科目を中心に学習していきます。

進級して2年生になったら、本格的に医療について学んでいきます。

医科学や組織学、免疫学など色々な角度から医学について学習するため、勉強の難易度がアップしていくでしょう。

さらに3年生以上になると臨床実習が開始され、外部病院における実習が始まります。

そして、5年生くらいになると多くの学生が試験勉強を開始し、医師国家試験突破に向けて猛勉強に励みます。

このような過程を通じて医学部の学生は「医者のタマゴ」として成長し、試験に挑戦するのです。

慶応義塾大学以外の大学でも学生の成長を促すためのカリキュラムを組んでいますから、卒業するころにはほとんどの学生が医師国家試験に合格できる知識を備えることができます。

ちなみに、医学部のカリキュラムについては日本医科大学や杏林大学など色々な大学がネット上で公開していますので、興味がある人はぜひ一度ご覧になってみてください。

国家試験合格状況は大学選びの参考にもなる

医師国家試験は毎年高い合格率となっているものの、試験内容そのものは一筋縄ではいかない高難易度な問題が出題されます。

そのため、多くの学生が大学ごとの国家試験合格率に高い関心を示しています。

大学ごとの国家試験の合格状況は、志望校選びのよい判断材料にもなってくれます。

上記ランキング表を引き合いに出すとすれば、同じ偏差値65の医学部でも合格率7割台の久留米大学よりも合格率95%以上の北里大学を選んだ方が、医師になれる可能性が高いといえます。

国家試験の合格状況を参考にして、医師国家試験の突破を確実なものとしましょう。

国家試験の合否は大学の偏差値ではなく入学後の努力で決まる

上でも少し触れましたが、医師国家試験の合否は大学の偏差値で決まるわけではありません。

最も重要なことは、医学部に在学している6年間でどれだけ学業に勤しんだかということです。

本人がどれだけ努力を積み重ねてきたかが、医師国家試験では試されるのです。

日々の学習を大切にし、試験に向けて大きく成長しましょう。

まとめ

医師国家試験の合格率は全国平均で91.4%という極めて高い合格率となっています。

この医師国家試験は毎年二月に二日間かけて行われます。

問題は三形式に別れており、その中身は臨床問題と一般問題、加えて必修です。

こちらの問題では、症例に対する質問や基礎的な知識が問われます。

必修では研修医や臨床医になったときに必要な知識やスキルに関する問題が出題されますので、こちらも忘れずに押さえておきましょう。

また、医学部ごとの合格率を見た場合、大学によってバラつきがあるものの、ほぼ全ての医学部が合格率8割を超える結果でした。

偏差値が高い大学ほど合格率が高いと思われがちですが、偏差値が低い大学でも高い合格率を誇っているところが数多くあります。

あくまで医師になることがゴールなのですから、偏差値にとらわれず志望校を選ぶとよいでしょう。

今回の記事を参考してくれたあなたが、満足のいく大学選びをしてくれたら幸いです。