医学部の入試では数学や英語の他にも、理科から2科目を選んで試験に臨む必要があります。
理科には化学と生物、そして物理がありますが、多くの受験生がこれらの内どの科目を選ぶかで悩んでしまうはず。
科目選択は合否に大きな影響を与える重大事項ですから、悩むのも無理はありません。
そこで、今回の記事では理科3科目の中でも物理に焦点を当てて、選択した際のメリットやデメリット、さらに勉強方法についても解説していきます。
医学部入試における理科の科目選択
医学部入試における物理の難易度や勉強法の解説に入る前に、入試時の理科の科目選択の方法などについても触れておきましょう。
ここでは、医学部の入試時における理科の科目選択方法などについて解説していきます。
医学部の理科の入試について
医学部の受験では多くの大学が生物と化学、そして物理の理科3科目の中から2科目を選択する受験方法を採用しています。
かつては3科目全てを選択しなければ受験ができない大学もありましたが、制度改革が進んだ結果、2020年度の入試ではほとんどの大学が理科2科目のみで受験できるようになりました。
特に、国公立大学では全ての医学部が2科目のみで受験が可能となっていますので、3科目全てをカバーするのが難しい受験生にとっては救いの措置と言えます。
ただし、各大学の今後の教育方針によっては理科3科目全ての受験制度が復活することも想定されますから、入試要綱などは常にチェックしておいてください。
なお、理科の入試においては多くの受験生が化学を選択するため、化学と物理、もしくは化学と生物の2パターンで試験に臨むことがほとんどです。
好きな科目を選んでもOK
冒頭でも軽く触れたとおり、医学部を受験する人の頭を悩ませる問題の一つが、理科3科目の中からどの科目を選ぶのがベストなのかということです。
医学部受験の合否に関わることですので、誰でも一度くらいは悩んだことがあるのではないでしょうか。
結論から言いますと、3科目の中からどの科目を選んでも問題はありません。
なぜなら、どの科目であっても基礎をしっかり固めることができれば、入試で戦えるレベルに到達できるからです。
しかし、選択した科目に合わせて勉強方法を変える必要が生じます。
例えば、物理を選択する場合は数学に強くならなければいけませんし、生物であれば用語を暗記する能力や論述問題を解くための文章力が必要です。
受験科目はご自身の特性や興味、関心の有無で選んでもかまいませんが、科目に合わせた勉強方法を実践していきましょう。
物理を選択するメリット
医学部の受験で物理を選択するメリットには、参考書の数に関わることを筆頭に色々なものが挙げられます。
こちらの項では、医学部を受験するにあたって物理を選択するメリットを2点取り上げて解説していきましょう。
生物と比較して高得点を出しやすい
最初に紹介する物理を選択するメリットは、高得点の出しやすさに関するものです。
物理は、ミスをしなければ高得点が取りやすい科目です。
生物選択の場合、計算が少ない分一つのミスで大きく崩れることはありませんが、暗記量が多いことに加え、考察問題で読解力や思考力が求められることから、満点を取ることが難しいでしょう。
一方、物理の場合は、公式の意味や使い方をきちんと理解していれば生物ほど細かな暗記は必要ないため、比較的高得点を狙いやすい科目です。
暗記量が少ない分、各単元を網羅的に学習するのに生物よりも時間がかりません。
少ない時間で一通り学習できるということは、学習深度を充実させられることにもつながり、言い換えれば高得点を狙いやすい科目という見方もできます。
物理選択でないと受けられない大学がある
もう一つの物理を選択するメリットは、受験大学の制限に関するものです。
医学部のある大学のなかには、入試で物理が必須となっている大学があります。
国公立大学に限りますが、例を挙げると九州大学や北海道大学、金沢大学などです。
なお、生物が必須となっている医学部は現時点ではありません。
そのため、志望校の幅を広げるために物理を選択しておいた方がいいという見方もあります。
物理を選択するデメリット
医学部の試験で物理を選択するメリットには色々なものがありましたが、残念ながらデメリットも存在しています。
物理を選択しようと考えている人の中には、デメリットもしっかり把握したうえで判断したいと思っている人も多いはずです。
そこでこの項では、医学部の試験において物理を選択したときに生じるデメリットについて3点ピックアップし、解説していきましょう。
数学が苦手な人には向かない
みなさんもご存じのとおり、物理の問題を解いていくためには高い計算力が求められます。
この計算力はたくさんの問題に触れるうちに少しずつ蓄積され実を結ぶものですから、一朝一夕の努力で手に入るものではありません。
また、一つのミスが大きなミスにつながり、連鎖的に問題を解けなくなってしまうケースも珍しくありません。
数学の問題を速く、そして正確に解く能力が乏しい人など、数学的な処理が苦手な人には難しい科目と言えるでしょう。
暗記が通用しない
上でも少し触れたとおり、医学部の物理の試験において暗記はほとんど通用しません。
そのため、解法を理解できていないままひたすら演習を繰り返していても、応用問題が出てしまうと対処のしようがないのです。
暗記力だけでは点数を取りにくいことが、物理のデメリットの一つです。
大学に入ってから活用する機会が少ない
医学部の試験で物理を選択することに関するデメリットには、進学してから活用する機会に恵まれにくいといったものもあります。
例えば、生物の知識であれば解剖学や生理学、生化学、細菌学など広範囲に渡って応用が可能です。
一方、物理であれば上で少し取り上げたように全体把握の能力が養われるといったメリットがあるものの、生物ほど進学後に活用する機会には恵まれません。
また、高校生物の知識がないと、大学で学ぶ分子生物学や生命科学が理解しにくいといったデメリットも生じます。
医学部物理の勉強法
医学部の受験対策として物理を学ぶためには、いったいどのようなポイントを押さえておけばよいのでしょうか。
しっかりポイントを押さえて、より効率的に勉強を進めていきたいところです。
ここでは、医学部の試験における物理の勉強法について解説していきましょう。
力学を最初に押さえておくといい
医学部入試の物理の対策では、最初に力学を押さえておくのがおすすめです。
なぜなら物理の出題範囲の5単元、すなわち「力学」、「電磁力学」、「原子物理学」、「熱力学」、「波動」のうち、力学は他の分野にも通じる知識を得られるからです。
力学はその他の単元の基礎とも言える分野ですから、こちらの学習を疎かにしていては、全体の理解度が浅くなるとともに学習スピードも遅くなってしまいます。
力学の早期攻略の可否こそが、物理そのものの攻略の可否に関わってきます。
勉強を進める際は、とにかく一問一問を深く考えて解法を確実に身につけていくとよいでしょう。
物理は一問を解くのにたくさんの時間がかかる問題ですが、力学を学ぶうえでは「必要な時間」と割り切って学習する姿勢が大切です。
学習の初期段階ほど、一つひとつの問題とじっくり向き合って解法をきちんと覚えていきましょう。
基礎を固めることが大切
物理に限ったことではありませんが、何事も基礎を疎かにしていては結果を出すことはできません。
野球でホームランを打ちたければ日々のバッティング練習が必要ですし、料理が上手くなりたければ食材の選び方や調理方法を覚える必要があります。
物理の試験についても同様で、試験本番で結果を出したければ高得点をマークする必要がありますが、そのためには基礎を固め実力を底上げする作業が必要です。
物理の基礎を固める際、最初に実践するとよいのが標準レベルの問題集の徹底的な演習です。
医学部の物理ではハイレベルな問題が出されますが、学習初期のうちは標準レベルの問題を解いて公式の意味や使い方をしっかり確認していくのがよいでしょう。
腕をあげるために、図やグラフを描く練習をしつつ、その図やグラフから何が読み取れるのか具体的に整理するくせを付けるとより効果的です。
最終的にはスピードと正確さを求めていく
先ほどお話したとおり、物理の試験勉強の初期段階では、基礎固めが非常に重要となります。
そのため、最初のうちは問題に向き合って解法を着実に理解していくことが必要です。
しかし、医学部の受験においては高難易度の問題が多数出題されるため、最終的にはスピードと正確さを求めていかなければなりません。
この2点の課題をクリアするためには、物理の基礎学習を通じて単元ごとの物理現象のイメージを掴むことが大切です。
問題で取り扱っている事象がなぜ発生しているのか、どうしてこの状況になっているのかきちんと把握しながら勉強を進めると、問題を見てすぐに解法が見えてくるようになり、入試レベルの難問にも正確に対処することができるようになります。
物理に限りませんが、スピードを上げるためには、問題演習の際に時間を計りながら解くこともおすすめです。
どの問題にどのくらい時間がかかるのかを把握しておくことで、試験での時間配分の感覚を養うこともできるでしょう。
物理現象のイメージをしっかり掴んで、効率的に実力を伸ばしていきましょう。
参考書の使い方
物理の参考書には大きく分けて以下の3つのパターンがあります。
・低学力層にターゲットを絞り、難しいことを極端に避けるもの
・高学力層にターゲットを絞り、大学物理や微積を当たり前のように使い、原理的な説明に終始するもの
・本質の説明を捨て、解法のみに焦点を絞ったもの
物理を学習する際は、これら全てのパターンの参考書を横断して学習を進めることで、強固な学力を身につけることができます。
もちろん、自分自身の学力に合わせて参考書を選ぶことは大切ですが、それぞれの参考書ごとに目的が異なるため、いろいろなパターンのものを使っていくと良いでしょう。
医学部を目指すなら京都医塾で
ここまで見てきたとおり、医学部入試における物理の試験では基礎的な学習はもちろんのこと、応用問題にも精通しておく必要があります。
多くの演習をこなし、確実に物理の実力を身につけていかなければ試験では歯が立たないでしょう。
しかし、ハイレベルな問題が出題さえる医学部の試験に個人の力だけで対応することは非常に難しく、挫折してしまう人も珍しくありません。
日々、受験のプレッシャーと戦いながら学習をしている人の中には、予備校などに通いしっかり勉強をリードしてもらいたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが、医学部受験に特化した予備校「京都医塾」です。
京都医塾は医学部受験において高い実績を誇る予備校で、2021年度の試験では一次試験合格率75%、二次試験60%と極めて高水準の合格率を叩き出しています。
ここから先は、そんな京都医塾の持つ特徴について解説していきましょう。
生徒一人につき13人の講師
京都医塾では生徒一人につき、各教科のスペシャリストの講師が13人付き添い、医学部合格まで導いてくれます。
学習はカリキュラムに沿って行われますが、月3回の教科別会議と、月に一度開かれる教科別担当者会議により予備校生のカリキュラムを随時調整してくれますので、勉強が遅れることもありません。
物理は理解が深まるまでに時間がかかる教科ですから個人単位で学習をしていると学習進度の管理が大変ですが、京都医塾であれば講師側がスケジュールを立ててくれますので安心です。
寮があるため遠方からの入塾も可能
京都医塾には寮が完備されているため、遠方からの入塾も可能です。
遠方へ子どもを送り出す保護者の方の中には、子どもの健康面で不安がある方もいるかもしれませんが、京都医塾の寮では管理栄養士が常駐し栄養のバランスが整った食事が提供されますので、健康面での心配もいりません。
また、カウンセリングをしてくれるメンタルケア専門の社員も常駐しておりますので、精神面でのケアも万全です。
さらに、保護者の方を交えた三者面談も受け付けていますから、子どもを送り出した後に心配が生じた際は面談などの対応も可能です。
体験入塾も受付中
京都医塾では一泊二日の体験入塾も随時、受付中です。
こちらの体験入塾は「京都留学」と呼ばれるもので、実際の講師からマンツーマンの授業が体験できるほか、学力テストやテスト結果を用いたフィードバックが得られます。
単純な授業体験や見学だけにとどまらず、受験生のポテンシャルと習熟度までも分析してくれますので、実りの多い経験となるはずです。
こちらの京都留学は、交通費や宿泊費も京都医塾側で負担してくれますから、気軽に応募してみるとよいでしょう。
まとめ
医学部の入試では理科3科目の中から2科目を選んで臨むことになります。
入試本番では化学を選ぶ受験生が多数を占めることから、物理と生物の2つの選択肢の中から受験科目を選ぶのが一般的です。
物理の勉強方法で最も大切なことは、力学を最初に把握することと、とにかく基礎を固めていくことです。
最終的にはスピードと正確さを追求していくことになりますが、最初のうちは基礎固めが重要となります。
しかし、物理は解法を理解するまでに時間のかかる科目で、ひたすら演習を解き続ける必要に迫られます。
受験生の中には物理の理解が追いつかず、挫折しかけている人もいるでしょう。
そんな人にオススメなのが、医学部受験に特化した予備校「京都医塾」です。
京都医塾は毎年、大勢の受験生を医学部に送り届けている名門の予備校です。
京都医塾では受験生一人に対し13人もの講師がチームを組み、医学部合格の日までしっかり学習サポートをしてくれます。
もちろん、学習の進み具合に応じて臨機応変にカリキュラムも変更してくれますから、挫折とも無縁です。
医学部の受験を考えている人、とりわけ試験科目で物理を選択中の人には京都医塾が打ってつけです。
無料の体験入塾も行っていますので、ぜひ一度お問い合わせください。