医学部の入試は、学力考査のほかに小論文や面接があります。
その際、大切になるのが志望理由です。
もちろん医学部を目指す理由はそれぞれあるにせよ、「いざ言葉にするとなると難しい」「どうすれば良い評価をもらえるような志望理由が作れるのか」と思う受験生も多いでしょう。
この記事では、医学部合格をつかみ取るための志望理由の定め方を解説します。
目次
医学部受験で志望理由が重要な理由
医学部受験において志望理由は、大学側が学生の適性を判断する要素の一つであり、主に以下の3つの場面で必要です。
- 願書提出時の志望理由書
- 小論文試験
- 面接試験
受験生の志望理由は以下のような役割を果たします。
- 受験生の意欲や目的意識の確認
- 将来のビジョンの理解
- 受験生が大学や学部について十分に理解しているか、大学に合っているかの確認
- 入学後の学習意欲や適性の判断
- 面接時の参考資料として
さらに医者を目指す学生が多い医学部では、大学側は受験生の「医者としての適性や熱意・ビジョン」も重視しています。
そのため、特に医学部受験において志望理由は受験生を評価するうえで重要な要素です。
医学部の志望理由を考える自己分析の4つのポイント
しかし、「志望理由を書けと言われても、漠然としてイメージがまとまらない」と悩む受験生も多いことでしょう。
志望理由を考える際、以下の項目で自己分析を行うと良いでしょう。
なぜ医者になりたいのか
どうして自分が医者を目指すのか、その理由を明確にさせましょう。
「親が医者なので後を継ぐため」とか、「テレビで医者の活躍を見てあこがれた」でもかまいません。
ただし、「親が真剣に患者さんと向き合う姿を見続けてきて、自分もそうなりたいという希望が出てきた」といったような、具体的なエピソードを挟むことが大切です。
単に「医者はやりがいがある仕事であり、自分が生涯をかけるのにふさわしいものだと思ったから」というような抽象的な回答では不十分です。
なぜ他の職業ではなく医者を選ぶのかという理由を明確にしておく必要があります。
もし「志望理由になるような明確に書けるきっかけがない」という人は、自分の意思の再確認も兼ねてオープンキャンパスや説明会に参加してみるのも一つの方法です。
将来どんな医者になりたいか
医者にもいろいろな種類があります。
代表的なのが病院で患者さんを診察する臨床医ですが、病理診断を専門とする病理医や、死因を解明する法医学医や、医学研究も行う研究医などもいます。
また、医系技官として保健医療に関わる制度づくりを行う道を選ぶことも可能です。
必ずしも「何科の医者になりたい」といった具体例をだす必要はありません。
「臨床医になって病気に苦しむ人を助ける医者になりたい」「法医学の発展に貢献したい」というように、医者としての活躍のイメージを掘り下げていくとよいでしょう。
なぜこの大学に行きたいのか
医学部を設置している大学は日本に数多くあります。その中で、志望校を選んだ理由を明確にします。
単に「偏差値が自分の学力とあっていたから」、「知名度が高いから」という理由では、この大学でなくてもいいだろうと思われてしまいます。
志望校の特色やカリキュラムの独自性などをしっかりと把握し、「このような授業が受けられるので」とか、「○○のような施設や研修カリキュラムが充実しているから」という内容をより具体的に答えると良いでしょう。
大学で何を学びたいか
医学部に進学するのですから、「医学を学びたい」というのは当たり前です。
大学の理念や医学に対する姿勢を調べておき、それに沿ったことを書いていきましょう。
「なぜ、この大学を志望するか」との書き分けが難しいかもしれませんが、その大学を志望する理由をイメージする際に出てきた答えの一部を、「大学で何を学びたいか」に流用してもいいでしょう。
具体的には、大学の特定のプログラムや施設、著名な教授から講義を受ける機会など自分のビジョンに必要な学習目標と大学の持つ強みやリソースを結びつけた説明が効果的です。
医学部の志望理由が書けない人必見!5ステップ選択式作成ガイド
自己分析は志望理由を考える上で重要なステップですが、文章を一から組み立てるのが難しい受験生もいるでしょう。
また自己分析が十分でない、あるいは自分の考えをうまく言語化できない人もいるはずです。
そのような受験生に向けて、次に5つのステップから志望理由を組み立てる志望理由の作り方について解説します。
医学部の志望理由のベースを作る5つの選択
ここでは5つのカテゴリに分けて、複数の選択肢を用意しています。
- 医者を目指すきっかけ
- 医者を目指す理由
- 将来の医者像
- 志望大学を選んだ理由
- 大学で学びたいこと
まずは自分に近いものを選び、志望理由のベースを作成してみましょう。
ステップ1:医者を目指すきっかけ
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ステップ2: 医者を目指す理由
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ステップ3:将来の医者像
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ステップ4:志望大学を選んだ理由
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ステップ5:大学で学びたいこと
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自分なりの志望理由の大枠が完成したら、具体的な志望理由の作成に移りましょう。
選んだ理由から志望理由を作成する際のポイント
文章として志望理由を作成するときには、箇条書きにした志望理由をベースとしてそれぞれの項目に対して必要なボリュームに合わせて肉付けをすると作成がスムーズです。
例えば、面接で使用する場合には、1分程度で話せる目安として300文字程度に膨らませます。
志望理由を膨らませるために必要なポイントは、「エピソードの具体化」と「感情や思考の掘り下げ」です。
例えば「医療ボランティア活動」なら「その時の出来事や印象的な患者さんとのやりとり」や「その時の心情あるいはあとになって感じたこと」を補足として追加しましょう。
医学部の志望理由の構成を具体例で紹介
志望理由書では「大学を選んだ理由」と「大学で学びたいこと」に重点を置き、導入で要約を述べ、結びに決意表明を加えると明確で伝わりやすい構成になります。
次に、800文字の志望理由の具体例を紹介します。
志望理由の例
①導入(要約):目安50~100文字私は将来、地域医療で活躍し地域住民の健康と生活の質の向上に貢献できる医師になることを目指しています。(50文字) |
②きっかけ:目安100文字きっかけとなったのは、高校生の時に参加した医療ボランティア活動です。地域の高齢者施設で健康相談や簡単な介助を行う中で、住民一人ひとりに寄り添う医療の重要性を実感し自分もそのような医療に関わりたいと思うようになりました。(109文字) |
③医者を目指す理由:目安100文字医師を目指す理由は、地域の人々の健康を支えることで社会全体に貢献できる職業だと感じたからです。特に医療が届きにくい地域での医師不足という課題に対し、自分が力になれる可能性があると考えたことが大きな動機です。(103文字) |
④目指す医者像:目安100文字将来は、地域医療に根ざした包括的な医療サービスを提供する医師になりたいと考えています。地域住民のニーズに応じた治療や予防医学を実践し、保健・福祉サービスとも連携することで、住民全体の健康増進に取り組みたいと思います。(108文字) |
⑤大学を選んだ理由:目安150文字貴学を志望した理由は、地域医療教育に力を入れているカリキュラムに惹かれたからです。特に、早期から地域医療現場での実習機会が豊富である点に魅力を感じました。地域医療に携わる第一線の医師による講義や、地域の医療機関と連携したプログラムなど、地域医療への理解を深めるための取り組みが自分の医師としての将来像と合致していると感じました。(164文字) |
⑥大学で学びたいこと:目安150文字貴学では、基礎医学から臨床医学まで幅広く学びながら現場で求められる知識やスキルを身につけたいと思います。特に高齢化が進む地域の特性を踏まえ、疾病予防と健康増進に重点を置いた地域医療について深く学ぶことが私の目標です。これにより、地域のニーズに応える医師になる基盤を築きたいと考えています。(144文字) |
⑦まとめ(決意表明):目安100文字貴学での実践的なカリキュラムの元で学ぶことで、自分が目指す地域医療に貢献する医師像に近づけると確信しています。入学した際には、貴学で得られる知識や経験を活かして地域医療に貢献できる医師になれるよう、貴学での学びに真摯に取り組む所存です。(118文字) |
医学部の志望理由を作成する際の7つの注意点
合格につながる志望理由を作成するためには、自分の想いが相手に「正しい内容として伝わる」必要があります。
効果的な志望理由を書くためには、作成したあとに以下のポイントについてチェックしましょう。
嘘はつかない
インパクトを与える志望理由書を書かなければ、と考えすぎると話を盛ってしまったり、ありもしないエピソードを加えてしまったりします。
嘘をつくと、面接などで突っ込まれるとどんどんボロが出てきて、印象が悪くなりがちです。
具体的なエピソードを書ければそれに越したことはありませんが、自分の本音を偽ってはいけません。
志望理由の出発点は、「親が医者なので、自分も漠然と将来は医者になると思っていました」でもいいのです。
「漠然とした思いが、医者になりたいという希望に変わったきっかけ」などを追加すれば、十分に好印象を与えられるでしょう。
内容に一貫性を持たせる
志望理由を作成したら、話の流れが一貫しているかチェックしてみましょう。
内容に矛盾があったり、エピソードだけが長々と語られていたりすると、違和感が出ます。
また、抽象的な内容ばかりだと「言葉はきれいだけど内容が薄い」という印象になりがちです。
特に推薦入試やAO入試の選抜では志望理由が重視されており、長文の「志望理由書」を求められることもあります。
大学、また必要な場面により志望理由に求められるボリュームはさまざまであり、志望理由書と面接など使用する場面は複数回にわたります。
そのため、事前に十分な準備をし、どのような形で問われても一貫性のある説得力のある志望理由を用意することが重要です。
特に長文の志望理由が求められると、話が本筋から外れても気が付きにくいので注意しましょう。
大学のアドミッションポリシーと一致させる
単体でみれば完璧でも、「受験する大学に対する」志望理由として適していなければ効果が薄れてしまいます。
そのため、志望理由を考える際に欠かせないのが大学や学部・学科が求める学生像を明確に示した「アドミッションポリシー」との一致です。
コミュニケーション能力や協調性のように多くの大学で共通する項目もあるものの、同じ医学部・医学科であっても大学によって示している内容が異なります。
志望理由を作成する際には、志望理由の説得力を高めるために自身の資質や目標が受験する大学のアドミッションポリシーに沿った内容になっているかチェックしておきましょう。
医学部に合格した人の志望理由書の例文を鵜呑みにしない
志望理由を考える際には、過去に医学部に合格した人の志望理由を参考にするのも良いでしょう。
ただし面接で矛盾した回答をしてしまわないためにも、他人の志望理由をそのまま真似るのではなく自分自身の経験や思いを反映させることが重要です。
合格者の志望理由の構成や内容を参考にしつつ、自分らしさを出すことでより説得力のある志望理由書を作成できます。
志望理由書は指定されたテーマや文字数を厳守する
志望理由書の提出を大学から求められている場合は、要綱で指定されている字数やフォーマット、テーマについて最初に確認しておきましょう。
作成してから「求められている条件を満たしていなかった」と気づいたら、最初から作成しなおしになります。
また指定文字数は大学側の入試方針などを基に設定されているため、オーバーしないことはもちろん、内容が不十分と判断されてしまわないように不足しすぎもNGです。
無駄に長い部分がないか、要点からそれていないかなど何度も推敲し、適切な文字数で自分の想いを的確に伝えましょう。
基本的な文章ルールを守る
志望理由の内容も重要ですが、読みにくい文章だと伝えたいことが正しく伝わりにくくなります。
そのため、基本的な文章ルールを守れているかどうか以下のポイントについてチェックしておきましょう。
- 「です・ます」調or「だ・である」調に文末表現は統一されているか
- 「〜と思います」「〜と考えます」など、同じ文章表現が繰り返されていないか
- 一文一義(1つの文に1つの内容)になっているか
- 話し言葉や「ら・い」抜き言葉は使っていないか
- 誤字脱字はないか
- 「貴学」など適切な敬語表現を使っているか
- 文章全体で論理的な流れになっているか
志望理由が完成したら第三者に見てもらう
自分では完璧に書けたと思う文章でも、第三者が読めば改善点が見つかります。
書いた文章は、学校の先生、医学部の志望理由を専門的に指導している予備校の先生に見てもらうのが理想です。
文法の間違いや矛盾点はもちろんのこと、エピソードがわざとらしくないか、書いていることが抽象的すぎないかなどもチェックしてもらうのがおすすめです。
特に、提出を求められる志望理由書の場合は、添削が必須です。
大学側はたくさんの志望理由書をチェックするので、読みやすくわかりやすい文章になるよう、入念にチェックしてもらいましょう。
また、志望理由は面接でも必須の質問です。
機会があれば、書いた内容を口頭でもしっかりと自分の言葉で説明できるように志望理由書をもとに模擬面接をしてもらうのも効果的です。
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しかし、1次試験を突破しても、2次試験での準備が不十分だと合格を逃すケースもあります。
そのため、2次試験の対策は合格に向けた大きなカギとなります。
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さらに、2次試験直前まで何度でも練習を重ねることができ、納得のいくまで繰り返し指導を受けることが可能です。
この徹底したサポート体制により、生徒は自信を持って試験に臨むことができ、合格への道を確かなものにします。
まとめ
受験のさまざまな場面で使われる志望理由は医学部入試の重要な要素の一つです。
良い志望理由を作成するために大切なのが、「一貫した論理で、大学に合った志望理由を適切な表現で書いて第三者に見てもらうこと」です。
京都医塾では、経験豊富な講師が、志望理由書の作成指導も行っています。
独学ではなかなか難しい志望理由書の作成も講師のアドバイスがあればスムーズに行えることでしょう。
志望理由の内容は時に合格の最後の一押しになることもあります。
十分な準備と熟考を重ね、自分らしさが伝わる志望理由を作成しましょう。