医学部の入試で、チャンスがあるなら挑戦したいのが推薦入試です。
近年、国公立大学医学部の推薦入試の募集人数は増加傾向がみられます。
推薦入試は、出願要件を満たしていれば受験機会を増やすことができ合格の可能性が広がります。
医師を目指す人の中には、早い時期から国公立大学医学部の推薦入試を考えている人もいるかもしれません。
そこで今回の記事では、国公立大学医学部の推薦入試を受験する場合、知っておくべき情報を解説していきましょう。
目次
国公立大学医学部の推薦入試の特徴
国公立大学の推薦入試には、いったいどのような特徴があるのでしょうか。
はじめに、国公立大学の推薦入試の特徴について解説していきます。
高校の評定平均値が5段階評価で4.3以上
国公立大学の学校選抜型推薦では、出願要件のうち「学習成績の状況4.3以上」などの厳しい基準が課せられていることが多いです。
評定平均値とは、高校1年次から3年次の1学期までの成績を合算し、科目数で割った数値のことです。
英数理などのいわゆる受験教科だけではなく、体育や家庭科などの副教科の成績も全く同じ基準で成績として評価されます。
つまり、出願条件を満たすためには、高校の3年間継続して全教科において良い成績を残していく必要があるでしょう。
地域枠推薦が多い
国公立大学医学部の推薦入試では、地域枠推薦が多くの大学で実施されていることが特徴です。2022年度の入試では、全50大学のうち39大学で地域枠の推薦入試が実施されています。
背景には、地域による医師不足の深刻化があり、地元で活躍する医師の育成が課題とされています。
そのため、地域枠推薦では、卒業後の定められた期間、指定地域で医師として働くことが条件となります。
地域枠推薦で合格・入学した場合、条件と異なる進路に変更しづらいという点があるため、出願する前に自分の進路を十分検討しておきましょう。
出願要件によっては現役生・1浪生に有利
国公立大学医学部の推薦入試の出願要件では、年齢制限があるため現役や1浪の受験生にとって非常に有利です。
一般入試では、どうしても学力を積んできた多浪生と戦わなければならないため、現役合格率も決して高くはありません。
推薦入試では、出願要件が現役生か1浪生まで認めている大学が多く、一般選抜に比べると倍率が低く試験科目の範囲も限定されています。
昨今の一般入試の難易度の高さや、医学部受験生の多浪化が進んでいる現実から考えると、出願要件さえクリアできれば、挑戦してみる価値があるでしょう。
国公立大学医学部の推薦入試の種類
それでは、推薦入試にはどのような種類があるでしょう。
ここでは、国公立大学医学部の推薦入試の種類について解説していきます。
学校推薦型選抜(旧推薦入試)
学校推薦型選抜は、出願要件をクリアし、出身高校長の推薦があれば受験できます。
国公立大学の学校推薦型選抜は、いわゆる公募制で全体の9割以上の大学で実施されています。
私立大学に比べると、募集人員が少ないことが特徴です。
特に医学部では出願要件に「学習成績の状況4.3以上」など厳しい成績基準を設けられています。
1つの高校からの推薦人数が制限される場合は、出願前に学内で選抜が行われることもあるでしょう。
また、多くの大学では、募集要項に「出願者は合格した場合は必ず入学する者に限る」と記載がある専願制の入試になります。
総合型選抜(旧AO入試)
総合型選抜は、大学側が求める学生像に合った人物を合格させるための入試です。
他の入試と比べると、「受験生の能力や適性」「学習に対する意欲」が選抜基準として重んじられます。
選考方法は、大学によって異なりますが、書類選考、面接、小論文やプレゼンテーションを通して総合的に評価されます。
基礎学力を測るために、共通テストを課する大学も増加傾向しています。
総合型選抜では、一般選抜や学校推薦型選抜に比べると、出願時に提出する書類が多いことも特徴です。
総合型選抜を考える際は、早い時期から必要書類を確認しておき、事前準備が肝心といえるでしょう。
地域枠推薦
地域枠推薦は、将来、地元の医療に貢献してくれる受験生のために実施される推薦入試です。
前述のように、地域枠推薦では、卒業後に指定地域で医師として働くことが条件となりますので、原則として大学が求める条件を守れる人のみ出願できます。
奨学金支給や学費免除といった制度を設けている大学も多く、学費を大きく抑えられることもあるため、はじめから地元の医療に貢献したい受験生にとってはメリットがある入試ともいえます。
また、大学ごとに出願要件や卒業後の従事期間や場所、診療科など求められる条件が大きく異なります。
地域枠推薦を考える場合には、出願要件や大学が求める条件を十分に確認し、自分の卒後の将来設計を踏まえて出願しましょう。
国公立大学医学部の推薦入試のチェックのポイント
国公立大学医学部の推薦入試を考える場合、どのような点を確認しておくべきでしょうか。
こちらの項では、主なチェックポイントを3点挙げて解説していきます。
出願要件を満たしているか
出願要件が満たされていなければ、書類選考で落ちてしまいます。
高校の評定平均や年齢、出身地など基本的な情報から確認していきましょう。
地域枠推薦では、出身地域が限定される大学も多いです。
また、各種検定の資料提出が必要な大学もあるので注意しましょう。
たとえば、東京大学の総合型選抜では、各種コンテストで顕著な成績を挙げたことを証明する資料もしくはきわめて高い英語力を示す資料の提出が求められます。
受験したい大学がある場合は、出願要件に自分が合致するかどうかを募集要項で十分に確認しておくことが必要です。
選考方法
国公立大学の推薦入試では、書類選考・小論文、面接が課されることが一般的です。
2021年度の入試制度改革により、学力を確認する評価を実施することが必須となりました。
そのため、大学によっては一般試験の2次試験のような論述問題や科目試験が出題される大学もあります。
口頭試問を含んだ面接や学科に関連した専門的知識を要する小論文が課されることもあります。
選考法は大学によって大きく異なるため、どのような選考方法が実施されているか事前に確認しておいてください。
出願スケジュール
推薦入試の出願は、9月から10月頃から始まり、10月から12月にかけて入試を実施する大学が多いです。
いわゆる受験シーズンとされる一般入試に比べると、約3~4ケ月前倒しで受験が開始されます。
そのため、願書提出や受験料の納付などのすべての手続きにおいて、前倒しの準備が必要になるでしょう。
数は少なくなりますが、年明けから出願、入試が実施される大学もあります。
なお、共通テストを選考に利用する学校推薦型選抜は、合格発表が1~2月になるので注意しましょう。
大学により日程が大きく異なりますので、各大学の出願スケジュールについては必ず見ておきましょう。
国公立大学医学部の推薦入試対策
国公立大学医学部の推薦入試の入試対策はどのようにすべきでしょうか。
ここでは、重要なポイントを3つにしぼって解説していきます。
出願要件や選考方法は早めに確認しておく
推薦入試で受験したい大学が見つかったら、出願要件や選考方法は早めに確認しましょう。
前述のように、出願要件や選考方法は大学によって求める条件は様々です。
とくに、評定平均値は一定以上ではないと出願できません。
各種検定の成績などの提出書類が必要な場合には、出願ギリギリで気づいては間に合わないこともあるでしょう。
受験校の出願要件や選考方法はできれば高校1、2年次の早いうちに確認し、大学が定める条件をクリアできるように対策をたてていくことが必要です。
小論文と面接は過去の形式を必ずチェック
国公立大学の推薦入試では、小論文はほとんどの大学で課されます。
小論文の出題は、英文なのか日本文なのか、制限時間はどれくらいか、どのような形式だったか必ず確認しておきましょう。
また、面接は国公立大学の推薦入試では、すべての大学に課されます。
個別面接、集団面接もしくは集団討論なのか、面接の形式によって対策の立て方も異なります。
小論文と面接については、大学の過去の形式を必ず確認をして大学の傾向に合わせた対策をとるようにしましょう。
高校の学校生活を怠らない
提出書類の1つである調査書は、推薦入試では合否に影響を及ぼす可能性があります。
成績だけではなく普段の学習態度や遅刻欠席などの生活態度が、調査書には記載されます。
調査書の内容がどれくらい反映されるかは大学によって異なりますが、一般入試に比べると影響力があると考えた方がよいでしょう。
推薦入試を考える場合には、定期テストで高得点を目指すだけではなく出席日数や生活態度といった面にも気を配って高校生活を過ごす必要があります。
国公立大学医学部の推薦入試を目指すなら京都医塾
前述したように、国公立大学医学部の推薦入試では、大学により出願要件や選考方法に大きく異なります。
そのため、入試対策を立てることに難しさを感じる人もいるでしょう。
そんな人におすすめなのが、医学部専門予備校の京都医塾です。
京都医塾は、オリジナルメソッドによるカリキュラムや良質な学習環境により、たくさんの受験生を医学部合格に導いてきた予備校です。
ここから先は、そんな京都医塾について紹介していきましょう。
小論文・面接対策もしっかり指導
京都医塾では、小論文・面接対策についても医学部受験専門の講師陣が指導を行っています。
小論文では、マンツーマンの授業の中で文章の構成や表現方法といった点もしっかり添削指導が受けられます。
面接対策では、受験する大学に合った形式での模擬面接を体験し、練習することができます。
講師が生徒1人ひとりに合格のためのアドバイスを指導してくれるため安心して本番に臨めると好評です。
受験生活の最後までフルサポート
京都医塾は、試験が終わる最後まで生徒を徹底的に支え続けます。
入試シーズンは、願書戦略を立て、願書作成のサポートを丁寧に行います。
試験日までは生徒の体調管理にも気を配りながら、試験日は会場まで同行し無事に試験会場に送り出します。
試験が終わった当日は、講師と一緒にその日の試験で失敗したところや重要事項の確認をしながら次の試験に向けて得点を伸ばせる指導を行います。
京都医塾では、生徒が合格をつかむ最後の日まで私たちはサポートの手をゆるめません。
現役合格にも強い
京都医塾では、医学部への現役合格を目指す現役生向けのコースがあります。
医学部受験のエキスパートである京都医塾の講師陣が、現役コースにおいても授業を行います。
最高難易度と言われる医学部突破に必要なノウハウが反映された指導により、現役合格においても高い実績をあげています。
まとめ
推薦入試は、一般入試に比べると倍率が低く、出願要件さえクリアすれば挑戦したい入試です。
近年、国公立大学医学部では推薦入試の募集人数が増加しており、推薦入試も視野に入れた受験を考える人もいるかもしれません。
しかしながらも、推薦入試は大学によって選考方法が異なるため対策の立てかたがわからないという人もいるでしょう。
そんな人にぴったりなのが医学部専門予備校の京都医塾です。
京都医塾では、推薦入試で課される小論文や面接試験の指導はもちろんのこと、限られた時間の中でも志望校に対応した試験対策をすすめることができるでしょう。
国公立大学医学部の推薦入試を目指すなら京都医塾がおすすめです。
京都医塾で勉強に励んで、志望校合格の夢を叶えましょう。
国公立大学医学部への合格実績もありますので、予備校選びで迷っている方はぜひ当塾をお選びください。
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