多くの受験生にとって気になるのが、睡眠の重要性や適切な睡眠時間といった事柄ではないでしょうか。
そこで今回の記事では、睡眠の重要性や適切な睡眠時間など、睡眠にまつわる情報を解説していきましょう。
目次
受験生にとっての睡眠の重要性
まずは、受験生にとっての睡眠の重要性の解説から入ります。
睡眠時間を確保することの重要性を知り、今後の学習に生かしましょう。
記憶を定着させる
実を言うと睡眠と記憶の関係は、紀元前から指摘されています。
古代ローマの学者のクインティリアヌスは、「一晩眠ると記憶が強化される。その場では思い出せなかったものが、不思議なことに翌朝にはすぐに思い出せるようになっている」と述べています。
こういった事実は、当時としては、突拍子のない話だったかも知れません。
しかし、現代では研究が進み、クインティリアヌスの言葉が真実であることが証明されています。
たとえば、記憶が保管される原理です。
MRIを用いた最新の研究では、記憶の保管庫は海馬だけではないことがわかってきています。
海馬とは、記憶の保管を一手に引き受けていると考えられてきた、脳内の部位です。
ところが、海馬はあくまで短期的な記憶を保管するための器官であることが、わかってきました。
長期的に保存される記憶は、脳内の大脳新皮質という箇所へ移動して保管されるのです。そして、この記憶の移動は私たちが睡眠をとっている間に実行されます。
つまり、睡眠不足では学習内容の定着が起きにくいということになるのです。
十分な睡眠時間を確保して、勉強した内容を脳にきちんと定着させましょう。
老廃物の除去
脳内には活動中、老廃物がたまっていきます。
専門用語では「グリンパティック系」と呼ばれる現象で、ニューロン、つまり脳の神経細胞から下水のごとくあふれ出してくる汚物のようなものが、蓄積していく現象です。
この汚物がたまりすぎると寝起きが悪くなり、一日の学習パフォーマンスにも悪影響が出る原因となってしまいますが、この老廃物を除去してくれるのも、やはり睡眠です。
睡眠中に人間の脳内では、「脳脊髄液」と呼ばれる体液が、老廃物を洗い流してくれるのです。
ちなみに、この老廃物の中には認知症を引き起こす「アミロイドβ」も含まれています。
この物質は、人間の深い眠りを生み出す箇所を攻撃するため、良質な睡眠を妨げてしまいます。
学習のパフォーマンスを落とさないためにも、毎日の睡眠時間をきちんと確保しましょう。
受験生なら知っておきたい睡眠のメカニズム
続いて、受験生なら知っておきたい睡眠のメカニズムの解説に移っていきます。
睡眠のメカニズムを知って、より多くの睡眠時間を確保できるようにしましょう。
体内時計が眠りのリズムを刻む
受験生のみなさんもご存じのとおり、体内時計によって人間の生活リズムは決定付けられています。
この体内時計は睡眠に限らず、体温の調節や代謝、ホルモンの分泌など色々なものに関わっています。
そして、この体内時計のリズムは24時間ではないことも、研究でわかってきました。
体内時計のリズムを正確に言うと、大人の平均では24時間15分。
個人差はあるでしょうが、毎日15分くらいずつずれていってしまうのです。
では、いったいどうやって、体内時計を調整しているのでしょう。
答えは、脳の働きにあります。
人間が太陽の光を浴びると、眼球が脳に光の信号を送り、それがきっかけになって体内時計のリズムを調節するというわけです。
こうして体内時計がリセットされることで、受験生のみなさんの睡眠時間のリズムは保たれているのです。
眠気のもと、アデノシンも関係
受験生の方々の睡眠時間に関係しているのは、体内時計だけではありません。
実は「アデノシン」という物質も関係しているのです。
アデノシンは、私たちが起床すると、脳内で放出され始める物質です。
そしてこのアデノシンが一定数、脳内にたまると、睡眠をとりたいという欲求が起こります。
これを「睡眠圧」といいます。
アデノシンがたまれば、たまるほど睡眠圧は高まり、人はいつしか眠りに落ちるというわけです。
ただし、このアデノシンは体内時計のリズムとも密接にリンクしています。
アデノシンがある程度、脳内に蓄積していても、体内時計のリズムしだいでは、睡眠圧が発生しないこともわかっています。
たとえば、深夜の時間帯に急激に眠気が消えたりすることがありますが、これはアデノシンと体内時計のリズムの反応によるものです。
いずれにせよ、生活のリズムさえ一定にしていれば、体内時計とアデノシンの効果で適切な睡眠時間がとれますので、安心してください。
メラトニンも眠気に関係
夜のとばりが下りると、私たちの脳内では「メラトニン」という物質が自動的に放出されます。
このメラトニンの働きは、脳に「暗くなったから、そろそろ寝る準備しよう。睡眠時間を確保しよう」と伝えるのが役目です。
多くの人に勘違いされがちですが、メラトニン自体が眠気を誘発するわけではありませんので覚えておいてください。
受験生の最適な睡眠時間はどれくらい?
受験生がとるべき睡眠時間は、一般的には、7時間前後がよいとされています。
ただし、大切なのは睡眠の質です。
いくら長時間の睡眠時間を確保しても、睡眠の質が悪ければ記憶の定着に悪影響を及ぼす可能性があります。
前日の睡眠の質の測り方としては、起床時のリフレッシュ感の有無、筋肉疲労の有無、イライラ感の有無、意欲・やる気の有無などで判断するとよいでしょう。
受験生の睡眠不足のデメリット
次に、睡眠不足のデメリットについても見ていきましょう。
受験生にとっては、見過ごせないデメリットばかりなので、しっかり押さえてください。
記憶力の低下
睡眠中に記憶の移動と定着が図られることは、上でもお伝えしたとおりです。
実は、この記憶の移動と定着は、睡眠中のノンレム睡眠とレム睡眠の両方を使って行われているのです。
ノンレム睡眠とは、深い眠りの状態のことで、レム睡眠とは、浅い眠りの状態を指します。
私たちの脳は、ノンレム睡眠中に、その日あった出来事のうち記憶すべきものと、すべきでないものを仕分けします。
そして、レム睡眠中に記憶すべきものを、然るべき器官に運ぶのです。
このように、睡眠時間と記憶力は密接にかかわっていますので、受験生のみなさんはしっかり睡眠をとるよう心がけましょう。
マイクロスリープの発生
「マイクロスリープ」は、浪人生や社会人など、車を運転する人に気を付けてもらいたい現象です。
マイクロスリープとは、睡眠不足が続くと運転中に一瞬だけ意識を失う現象を言います。
マイクロスリープで重大事故を起こしてしまっては、受験どころではなくなってしまうので、睡眠時間はしっかり確保しましょう。
情緒が不安定に
人間の脳は、理性を司る「前頭葉」と、本能的行動、つまり怒りや不安を司る「偏桃体」が連絡を取り合って情緒を安定させています
しかし、睡眠不足になると前頭葉の働きが弱まり理性的な判断力ができなってしまい、イライラ感がつのるなど悪い影響が出てしまう。
情緒が不安定になってしまうと、当然、勉強にも悪い影響が出てしまうでしょう。
こういったことにならないよう、十分な睡眠時間を維持して、学習のパフォーマンス向上につなげてください。
受験生が安眠するためにはどうすればいい?
最後に、受験生が安眠するための方法を紹介しましょう。
睡眠時間をしっかりと確保するための方法ばかりですので、実践してみてください。
体温を下げる
人間の身体は、体内の体温が下がると自然と眠気が発生する仕組みになっています。
そのため、睡眠のためには、体温を下げられる環境を作るのがおすすめです。
最適な方法の一つは入浴。
入浴後しばらくすると手や足から熱が放出されるようになるため、身体の内部の体温が低下し、安眠できるようになります。
寝具に気を使う
安眠のためには寝具にもこだわりたいところです。
除湿性の高いマットレスなどは、体温の低下を手助けしてくれるので、安眠につながりやすいのでおすすめです。
寝室にスマホを持ち込まない
勉強後の息抜きとして、寝る前にスマホをいじる人は多いかと思います。
しかし、暗闇で強い光を浴びると、瞳孔が開き脳が大きな刺激を受けてしまいます。
一日の勉強を頑張ったご褒美として、スマホで動画を観たり、ゲームをしたい気持ちはわかりますが、睡眠時間や質の低下にもつながりますので、ガマンしましょう。
京都医塾なら正しい睡眠時間も徹底管理
睡眠時間の重要性は、これまで触れてきたとおりです。
睡眠と記憶には密接な関係がありますので、できるだけ良質なものにしたいところです。
しかし、受験生の方の中には、どうしても夜更かしがやめられない人や、生活リズムが改善できない人もいるのではないでしょうか。
そういった人におすすめなのが、学習指導だけでなく生活改善にも定評のある京都医塾です。
京都医塾は、医学部受験に特化した予備校ですが、合格のための方策の一つとして、受験生一人ひとりの生活の質の向上にも徹底的に取り組んでいます。
ここから先は、そんな京都医塾の取り組みを紹介していきましょう。
生活リズム改善のためのあらゆるサポート
京都医塾では、生活リズムを改善するためのサポートに努力を惜しみません。
たとえば、朝は6時に起床して点呼を行い、脳内を「覚醒モード」に切り替えてもらいます。
そして、夜は基本的に0時就寝を徹底。
この生活パターンを毎日繰り返すことによって、受験生の体内時計を整えるなどして、良質かつ十分な睡眠時間を確保しています。
整体で疲労回復、癒された状態で快適な睡眠を
医学部を目指す受験生の多くは、1日の大半を学習に費やします。
連日10時間以上の学習も珍しくありません。
そうなると、必然的に机に向かっている状態が続きますから、身体中の筋肉が緊張してこり固まってしまいます。
筋肉が緊張した状態では、睡眠時間の確保にも悪影響を与えてしまうでしょう。
そこで、京都医塾では、専属の整体師を配置して、受験生の筋肉の疲労を回復するサポートも行っています。
長時間学習で疲れた身体が癒されてよく眠れるとあって、受験生からは大変な評判です。
心の健康も徹底ケア、安心して眠れる環境を構築
受験につきものなのが、学力の伸び悩みの不安や試験そのものへの不安です。
このような不安も、すぐに解消されればよいのですが、たくさん募ってしまうと、夜も眠れなくなってしまいます。
そういった状況にならないように、当塾では精神面のケアを担当するカウンセラーを配置して、受験生のフォローにあたっています。
受験にまつわるあらゆる不安に寄り添い、解決の方向へと一緒に歩んでいきますので、安心して入塾してください。
まとめ
受験生にとって良質な睡眠時間の確保は、とても大切です。
十分な睡眠時間がとれないと、記憶が定着しにくくなるばかりか、情緒が不安定になるなど大変な悪影響が出てしまいます。
しかし、受験生の方の中には、どうしても夜更かしをしてしまったり、生活リズムを一定にできない人もいるのではないでしょうか。
そういった人におすすめなのが、学習指導だけでなく生活改善にも定評のある京都医塾です。
京都医塾は、医学部受験に特化した予備校ですが、合格のための方策の一つとして受験生一人ひとりの生活の良質化に徹底的に取り組んでいます。
もちろん、上記のとおり、医学部受験のための学習指導も申し分ありません。
医学部受験のエキスパートの講師陣や、オリジナルのカリキュラムなどを用いて、毎年高い合格実績を打ち立てています。
医学部を志望しているものの、生活が乱れがちでどうしても睡眠時間が確保できない人には、京都医塾がうってつけです。
資料請求や電話でのご相談は、随時受付け中ですので、お気軽にお問い合わせください。