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新課程の共通テスト導入はいつから?新科目「情報」の登場&浪人生への経過措置を徹底解説!

新課程の共通テスト導入はいつから?新科目「情報」の登場&浪人生への経過措置を徹底解説!

 

2022年度4月より、新学習指導要領がスタートしました。

「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力など」「学びに向かう力、人間性など」の3つの柱で、それぞれの「資質・能力」を総合的にバランスよく育むことを目標としています。

学習指導要領の変化に伴い、入試にも変化が訪れます。

具体的には、2022年度の高校1年生が受験学年となる2025年度入試にて、新指導要領に則った「新課程入試」が実施されます。

今回の記事では、「新課程入試は旧課程入試からどのような変化があるのか?」、「浪人生に対する移行措置はどうなるのか?」など、重要なポイントを詳しく解説します。

2025年、共通テストは新課程で受験科目はどう変わる?


2022年11月、独立行政法人・大学入試センターより、2025年度の新課程入試の「施策問題」、問題作成に関する方向性、実施大綱が発表されました。

これらの発表から読み取れる、2025年度の大学入学共通テストの特徴や旧課程からの変更点を以下にまとめました。

出題教科・科目数が7教科21科目に変更

新課程入試における、大学入学共通テストの一番の変更点は、出題科目・科目数の変更といえます。

新教科「情報Ⅰ」を加えたうえで各教科の科目数・出題内容が見直され、7教科21科目に変更となりました。

旧課程の出題科目・科目数6教科30科目と比較して、科目数が大きく減少される形となりました。

以下では、新設教科の「情報Ⅰ」の扱いをはじめ、科目の出題内容の変更点を4つのポイントに分けて詳しく解説します。

「情報Ⅰ」が新設

新課程における共通テストの一番の変更点は、新教科「情報Ⅰ」の設置です。

「情報Ⅰ」は新学習指導要領に則り新設された科目で、2025年度入試が初の共通テスト実施となります。

試験時間は60分で、共通テスト2日目の最終時間割(17:00-18:00)で実施されます。

東京大学は「平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学者選抜大学入学共通テストの東京大学における利用教科・科目の予告について」において、「情報Ⅰ」を東京大学の2025年度入試の利用教科とする旨を早々に発表しました。

同様に、国公立大学を中心に、必要科目をこれまでの5教科7科目に「情報Ⅰ」を加えた6教科8科目を必須とするという発表が行われています。

そのため、国公立大学を志望する人は、「情報Ⅰ」の十分な学習が必須となります。

ただし、大学・学部/学科によって必要科目が異なるため、志望大学の入試科目については早めかつ正確な情報収集を心がけましょう。

私立大学については、「情報Ⅰ」の取り扱いについて詳細を公表していない場合も多いため、各大学が入試においてどのように「情報Ⅰ」を取り扱うのか、慎重に情報を収集する必要があります。

理系の必須科目「数学」で科目再編&試験時間の増加

数学②について、「数学Ⅱ、数学B、数学C」の1科目へと変更となります。

また、必要な解答数が1つ増加することにともない、試験時間が70分となり、旧課程の共通テストから10分の試験時間延長となります。

実質的に、数学の必要解答数の増加となるため、これまで以上に数学の学習時間確保が重要となります。

旧課程の共通テストでは「数学Ⅱ」「数学Ⅱ、数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」の4科目から1科目を選択する、という試験内容のため、科目数がスリム化されています。

2026年度入試からは「数学Ⅱ」「簿記・会計」「情報関係基礎」は選択できない、という点に注意が必要です。

また、数学①については、旧課程の共通テストと同じく「数学I、数学A」「数学Ⅰ」のいずれかを選択する出題となっています。

「国語」では試験時間・問題構成・配点が変更に

国語は、「現代の国語」と「言語文化」の内容が出題され、近代以降の文章(論理的な文章、実用的な文章、文学的な文章)【110点】と古典(古文、漢文)【それぞれ45点】の全5大問が出題されます。

旧課程の共通テストは4大問構成のため、新課程入試では大問数が1つ増加となるとともに、各大問の持つ配点が変更となります。

また、大問数の増加にともない、試験時間が90分となり、旧課程の共通テストから10分の試験時間延長となります。

「地理歴史」「公民」は科目選択時に要注意

「地理歴史」「公民」の6科目のうち、2科目を選択する場合、選択不可な組み合わせがあるため要注意です。

以下は、組み合わせ可能な組み合わせを示しています。

✔(b)のうちから「地理総合,地理探究」を選択する場合,(a)では「歴史総合」及び「公共」の組合せ
✔(b)のうちから「歴史総合,日本史探究」又は「歴史総合,世界史探究」を選択する場合,(a)では「地理総合」及び「公共」の組合せ
✔(b)のうちから「公共,倫理」又は「公共,政治・経済」を選択する場合,(a)では「地理総合」及び「歴史
総合」の組合せ
まとめますと、同じ科目名を含む2科目を選択することはできないため、地歴公民を2科目受験する必要がある場合、組み合わせに留意する必要があります。

以下の表も、ぜひ参考にしてください。

(a)
『地理総合』
『歴史総合』
『地理総合』
『公共』
『歴史総合』『公共』
(b) 『地理総合,地理研究』 × ×
『歴史総合,日本史研究』 × ×
『歴史総合,世界史研究』 × ×
『公共,倫理』 × ×
『公共,政治・経済』 × ×

また、「公民」においては、旧課程の「現代社会」が廃止となり、新たに新科目「公共」が設置されます。

浪人生に対する経過措置とは?


「新課程入試にこれだけの変更があると、旧課程の学習指導要領を履修した受験生は不利になるのでは?」と疑問を持たれた方も多いかと思います。

そこで以下では、浪人生を含む過年度生(2022年度の高校2年生以上の志願者)に対する、大学入学共通テストの経過措置について解説します。

2025年度入試における経過措置

2025年度について、旧課程の学習指導要領を履修した志願者(=2022年度の高校2年生以上の志願者)は、「経過措置科目」という旧課程の学習指導要領内容からの出題科目を受験することが可能です。

すなわち、旧課程の教科・科目区分で共通テストを受験することができます。

ただし、「国語」「理科」「外国語」においては経過措置科目の設置はないことや、数学のグループ②の試験時間が旧課程の大学入学共通テストより10分長いなど、経過措置科目であっても細かな部分の変更があるため、あらかじめの確認が必要です。

また、国公立大学受験の必要科目数や私立大学における大学入学共通テスト利用入試の必要科目などについては、今後の各大学の発表を注視する必要があります。

経過措置は2025年度入試のみ

浪人生の場合、2025年度の大学入学共通テストにおいて旧課程での学習指導要領内容での受験が可能である、ということがおわかりいただけたかと思います。

ただし、この経過措置は「2025年度入試のみ」の対応である点を、しっかり押さえておく必要があります。

すなわち、2年の浪人期間ののち、2026年度の入試に臨む場合、旧課程履修者であっても新課程入試の試験を受験する必要があります。

そのため、旧課程履修者は、複数年にわたる浪人においては「未履修範囲の学習が求められる」というデメリットがあります。

そのため、旧課程履修の志願者は、2025年度入試までの志望校合格を目指すことが重要です。

上記の内容から、2026年度は例年よりも浪人生の受験が少なくなることが予想されますが、新課程の学主内容履修負荷にくらべると小さなメリットであるため、やはり2025年度入試までに注力した受験対策を強くおすすめします。

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まとめ


学習指導要領は、およそ10年に1回の頻度で改訂が行われます。

時代の変化や子どもたちを取り巻く状況を鑑みて、その時代に必要な教育を取り入れることを目的とし、改訂が実施されます。

「情報Ⅰ」の新設はまさに現代社会に必要な技能の変化に即した内容であると言えます。

そうは言っても、新課程入試による科目数や試験内容の変更や、複数年にわたる浪人を避けるべく競争率があがることを不安に思う方もいらっしゃると思います。

しかし、合格に必要なのは「受験日に自分が合格点を取れるかどうか」のみにかかっています。

周りの状況に左右されるのではなく、自分自身の学力を最大に高めるべく、最良の受験勉強に臨んでもらえればと思います。