京都医塾を語るうえで欠かせないのが、個性豊かな講師たち。塾生1人に対して講師13人がチームとなって、塾生のみなさんを全力でサポートしています。しかし実際に、どんな先生がいるのかはとても気になっていると思います。そこで、京都医塾の講師を紹介する連載企画がスタート! 自身の半生や講師になったきっかけ、普段の授業の姿や担当科目に対する思いを熱く語っていただきます。
第15回目は、英語科の武田智紀先生が登場。小学校から高校までサッカーを続けて、活発な子どもとして育つ。受験勉強を通して英語が得意科目になり、大学時代自分の将来を考える中で「英語を使って仕事」をしたいという気持ちが生まれる。大学院生時代の大手予備校のアルバイトを通して英語を教えることの喜びを感じ、塾講師の道に進んだという経歴の持ち主です。塾講師としては若手ですが、授業へのこだわりは誰よりも強く、より良い授業を日々研究しています。
今回も、医学部を目指す4人の生徒が、授業を通じて武田先生を深堀りしていきます。
滋賀県出身。
早稲田大学 商学部 卒業。
京都大学 大学院 経済学部 経済学研究科 卒業。
大学在学中に、予備校でのアルバイトを経験し、教師の道に進むことを決意。
ーーキーンコーン、カーンコーン
ーーガラガラ
みなさん、そろっていますね。こんにちは!
生徒たち:こんにちは!
京都医塾の英語科の講師、武田 智紀です! よろしくお願いします!
今日は僕の名前をしっかり覚えて帰ってくださいね。
いいなあ。俺もなりたいなあ。
佐藤くんどうしたんですか?医師ではなく、僕と同じ塾講師になりたくなりましたか?
うーん、それは違います。
あっ違うんですね、、
「海外セレブ」が集まるファッションの祭典があったって、ニュースでみたけど彼らはどれくらい“セレブ”なんだろう。僕もどうしたらセレブになれるか考えていました。
なるほど。でもね佐藤くん、海外“セレブ”の“セレブ”は、英語では“お金持ち”という意味ではないですよ。
え!!
セレブは”celebrity”という名詞の略です。林さん“celebrity”の意味は分かりますか?
うーん。お金とは関係ないんですよね……。
そうだね。
“celebrity”は著名人という意味です。マスメディア(テレビや新聞)を通して大衆に広く知られている人のことです。日本では「お金持ち」という意味で使われているけど、実は“celebrity”という単語にはそういった意味は含まれていません。
じゃあ、海外の人に、”I have celebrity friends.”なんて言ったら、嘘つきになってしまいますね(笑)
そうですね。このように、英語を学ぶことは海外の人とコミュニケーションをとるだけでなく、自分の視野を広げてくれると思います。
今日は、みなさんに僕のこと、英語のことをより身近に感じてもらえるよう、「武田智紀と英語」をテーマに授業をしていきます。
では、テキストを開いてください。
生徒たち:はい!
英語に関わる仕事がしたくて、外交官に憧れた大学生時代
実は僕、今とは別の角度から「英語に関わる仕事」に就きたかったんですよね、例えば外交官とか。
生徒たち:外交官!!!
そんな時期もあったとういうだけで実際になったわけではありませんから。(笑)
「外交官」になりたかったというより、とにかく「英語に関わる」仕事がしたかったんです。
先生質問です。何で英語がそんなに好きなんですか?
僕はそもそも勉強が好きじゃありません。
こらこら(笑)
先生も子供の頃からずっと勉強が好きだったわけじゃないので、気持ちは分かりますよ。小学校の頃はサッカーが好きな少年だったので、勉強は得意ではなかったです。
そんな僕がなぜ講師になったのかを説明していきます。教科書を開いてみてください。
ですが、中学校最初の中間テストで、頑張って暗記すれば社会でいい点数が取れたんです。周りの人にも褒められて、すごく嬉しかったです。それが成功体験となって、勉強が好きになりました。そのおかげで高校に入ってからも勉強に対して苦手意識を持つことはありませんでした。
社会でいい点を取ったって言ってたけど、社会の先生にはならなかったんですね。
まぁ社会のテストはきっかけに過ぎないですから。高校生の頃、受験勉強をする中で、「自分は周りの人より英語が得意なんじゃないか」と認識するようになりました。実際そうだったかはわからないですけど(笑)
僕は英語を学ぶことで、将来の自分の可能性が広がると思っています。学問を学ぶ上でも、学べることの可能性を広げるのが英語です。
例えば、僕は大学では商学部で経済学を勉強していました。経済学と英語は関係ないんじゃないかと思うかもしれません。しかし、そんなことはありません。
経済学という学問を作り上げてきた人たちが書いた本は、何語で書かれていると思いますか?
英語ですか?
そうです。大学生の頃は経済学を追求するために、経済学を作り上げてきた人たちの本を、英語(原典)で読んでいました。
これは医学の道に進もうとしている君たちにも同じことが言えるのではないでしょうか。
たしかに!最善の医療を提供し続けるには、英語を通じて幅広い知識を習得することが必要ですね。
良いことを言いますね!では次のページめくってみましょう。
大学に入って自分の将来について考える中で、「英語が好き」というだけでなく、「英語を使って仕事がしたい」という気持ちが強くなりました。そこで、外交官に憧れるようになったんです。外交官になるためのセミナーで勉強したりしていました。
そこから先生になろうと思ったのはどうしてですか?
京都大学の大学院に進学し、予備校で浪人生の質問対応をするアルバイトをしていたんです。最初は時給がいいからという理由で始めたアルバイトでしたが、そこで英語を教えるという楽しさを知りました。大学、大学院時代に様々な仕事をしてきたけど、「その中で一番自分が努力出来る」と思ったのが英語を教えることでした。塾講師を選んだのは、英語の授業をして、英語に触れる時間をたくさん持ちたいというのが理由です。
生徒のやる気を引き出すため、キャラクターや話し方を工夫
みなさんは初めましてなのでこれから知っていくことになると思いますが、毎週違うキャラクターというか、話し方で授業をしています。
生徒たち:え!!!
僕はまだ講師になって2年目なので、生徒の反応をみながら「どういった授業がやる気に繋がるのか」を研究しています。先輩の先生を手本に、話し方や話すスピードを工夫しています。また、標準語で授業をする日や逆にコテコテの関西弁で授業をする日、英語で解説をする日など色々です。
え!?国際医療福祉大学 医学部 じゃないんですから!全部英語で授業されたら、僕たちは理解できません。
全部英語は冗談ですが、自分のキャラクターを変えて授業をしているのは本当です。講師一年目では、1対1の個別授業をたくさん担当し生徒の成長を支える中で、様々な気づきがありました。今年からは集団の授業も担当するようになり、今までと同じではいけないと思い、生徒の皆さんの反応を見ながら日々工夫をしています。
毎週違うキャラクターの先生を見れるなら、授業も楽しく受けられそうです!(笑)
逆に先生をしていて楽しいと思うのは、どういうときですか?
そうだね。ありきたりかもしれませんが、生徒皆さんの成長見ることができたら一番嬉しいです。
私の成績が伸びて、志望校に合格したら先生も嬉しいですよね。
もちろん生徒の合格の知らせを聞けることは嬉しいです。自分が教えた生徒が以前解けていなかった問題が解けるようになっていたら、教師としてのやりがいを感じます。授業の中では「理解した」と言っていても、実際過去問などを一人で解いてもらうと解答できていないことがあります。生徒が一人で正解を導けるように教えることが、僕たち講師の存在意義ですからね。本当に理解できるまで、一人で解けるようになるまで教えますから、とことん質問してください。
分かりました。英語は苦手ですが先生にたくさん質問して成長します!
そうですね、一緒に頑張りましょう。
先生もみんなと一緒で、授業の準備だけでなく、自分の英語力を成長させるため日々勉強しています。
どんな勉強をしているんですか?
オンライン英会話を受講しています。ネイティブの人と一対一で話すというものです。京都医塾では、東京サポートいう、入試期間に、講師も受験生と一緒に東京に滞在し、サポートを行っています。去年僕も参加した時、コロナ禍でホテルの外を出歩けなかったので、その時は一日6時間くらい英会話を受講していました。(笑)
今も出勤する前に受講しています。
6時間はすごい!!
一日中英語のことを考えているなんて仕事人間ですね!
好きなことを仕事にしていますからね。でも、英語以外の趣味もちゃんとありますよ。
先生の趣味、教えてください!!
散歩です。土日はだいだい散歩しています。
買い物などに行くとき、車を使って目的地に行くこともできるのですが、その道のりを散歩コースとして歩きます。「頭を空っぽにしたいとき」「思考整理したいとき」に散歩は最適です。
「武田先生の魅力」生徒と講師の声
次に、私のことをよく知っている講師の先生や生徒のみなさんに聞いた「武田の姿」を紹介していきます!
生徒A
もともと英語は好きでしたが、質問に親身に対応してくださるおかげでもっと英語が好きになりました。丁寧で優しい先生です。
自分の授業を通して、英語を好きになってくれる生徒がいることは、とても嬉しいです。これからもどんどん質問に来てください!
生徒B
「”英語は文型で成り立っている”ということを武田先生の授業で、初めて知りました。これから英語を学んで行くうえで、ずっと使う大切なことを中1の今教えていただいて良かったです。」
文法を意識して英語に触れることは、非常に大切なことです。
僕も英語講師として英語を話すときは、文法等のルールを守ることを意識しています。
講師A
武田先生は「憑依型」の授業者です。普段は比較的物静かですが、授業となるとガラッと人が変わり、先生に変身します。授業準備にも余念がなく、24時間体制で良い授業をすることを突き詰める、英語求道者のような姿勢で英語を教えることに向き合っています。
尊敬する英語科の先輩の先生にそう言っていただけて嬉しい限りです。生徒が「英語を楽しい」と思える授業ができるよう、研究を重ねていきます!
講師B
武田先生は講師室では、授業準備を黙々とこなす寡黙な先生という印象です。しかし、実際に話してみると、時々コテコテの関西弁がでたり、ボケを逃さず突っ込んでくれたり、関西人らしい面白い一面が分かると思います。
人生の大半を関西で過ごしています。
大学進学を機に東京に行くまでは、ずっと滋賀県に住んでいました。早稲田大学に進学するとなった時は、滋賀の田舎から飛び出して、大都会東京で生活が出来ることから来る高揚感で満ちていました。
解答のプロセスを理解する
最後に英語が苦手だという方へ、英語を勉強するときに僕が大切にしていることをお伝えします。
そこで私がおすすめする勉強法が次のページ。
僕は授業の中で「どうしてこの解答にいたったのか」という”解答のプロセス”を生徒に理解してもらうことを大切にしています。
田中くん、”process”という名詞の意味は分かりますか?
過程です!
そのとおりです。過程や手順という意味ですね。
授業で先生の解説を聞いて、その場では理解したと思っても、実際一人で演習をしてみた時に、解けないということはありませんか?それは「解答のプロセス」を理解できていないからです。僕の授業では、問題とどういう風に向き合って、どう頭を使って解答にたどり着くのかを、生徒自身に言語化させ理解を促しています。
問題を解くとき、頭の中で英単語を日本語に直して、日本語の意味を理解することで解答していませんか?そうではなく、文法や文構造を意識して問題を解く必要があります。文構造を理解しないままでは、目の前の問題一問が解けたとしても、本当の力にはなりません。
授業でやったことが一人でも解けるように、問題の解き方を自分の口で説明してみるということですね。
では最後のページ、どういった点で英語が人生にためになるのかをお伝えします。
英語を勉強すれば、たくさんの人々とコミュニケーションをとることが可能になり、将来の自分の可能性が広がると思います!
日本にずっといても、英語を勉強すると自分の可能性に繋がるんですか?
そうだね。受験に英語は必須だし、先生と一緒に頑張りましょう!佐藤くん「“rich”になりたい」と言ってましたよね。今勉強をしておくことは、“rich”になる近道かもしれませんよ。
英語学習は地道な努力の積み重ねになります。是非共に頑張りましょう!